夜は私のわがままで
実は群馬に住んでいたときは
佐久市にはよく足を運んでいて
玉村から254号で軽くドライブするというのはよくやっていた
その時は見事に食いっぱぐれて
途方に暮れていたとき
駅前に一軒の喫茶店を見つけた
そこで70年代の伝説のギャグ漫画
「マカロニほうれん荘」がすべて揃って居り
長居しながらも読みふけったものだった
…今もその喫茶店はあるのだろうか…
それが前から気になっていた
当時は佐久平駅が出来たばかりで
専ら、佐久市の中心はこの中込であった
当時は西友などの大型スーパーがあったが
今では西友も病院に変わり
ひっそりと営業している喫茶店を見つけた
…そうだ!ここだ!
歓喜に震えた
そうそう、2階に上がっていったのだ
そこから、当時は往来の激しかった
駅前を見ながら
コーヒーを啜って
件の漫画を読みふけって居たものだった
ただ、惜しむらくは漫画がすべて
刷新されていたこと
もう…年代を考えれば
無理なことか
それにしても
驚いたのが
いきなりのオープンリールデッキが
出てきたこと
実は我が家の屋根裏にも
オープンリールデッキは眠っているのだが
どうやら今でも動きそう
狭い店舗には
ちょっと不釣り合いな大きなモニターが鎮座しており
かなり心地良いサウンドを奏でていた
今でこそ母体の「ハーマンカードン」が韓国の「サムスン」に買収されて
悲しい限りであるが
JBLのスタジオモニターModel4344
現在でも致命的なスピーカーを振動させる
エッジの部分が脆くなり
欠けてしまったものでも
オークションで32万で出回る代物
納得のサウンドである
店主は一見すると70代と思われるが
数々の介護歴に鑑みて
おそらくは80代であろうと思われる
店主に「音が良いですね」と話をすると
とてもうれしそうにしていた
「じゃあ…オープンリールを聴いてみます」と
実際に掛けて頂いた
写真での表現は難しいが
なんとか回転の様子はわかるかと
まだ、CDで無くレコードであった時代
意外とレコードプレーヤーのガサがはり
家に置けない人たちは
ラジカセで音楽番組を聴きながら
好きな曲が掛かるとそれに合わせて
録音ボタン…否大きなスイッチを「バチン」と押して
録音していたものだった
俗に言う「エアチェック」というものである
断じて車の空気圧の点検ではない
ちなみに、RECレベルも手動であり
VUメーターの
MAXで赤い線ギリギリになるように
調節する必要があった
それ以上になると
音が割れてしまい
それ以下だと
小さくなってしまう
面倒だけど
そこに自分の好きな音に仕上げてゆく行程
それがたまらなく好きだった